2023年 子どもにやさしい企業フォーラム 台湾の子どもにやさしい企業調査報告を発表!
台湾の子どもにやさしい企業調査報告では、企業の子どもの権利に対する関心が不足していることが明らかに NGOは企業経営における子どもの権利意識と規範強化を呼びかけ
- 台湾グッドネイバーズ協会、銘伝大学金融テクノロジー応用学士/修士課程、消費者文教基金会が共同で「2023年 子どもにやさしい企業フォーラム」を17日に開催し、台湾の上場企業のCSR報告書に基づく「子どもにやさしい企業調査報告」を発表。本報告によると、企業は家庭にやさしい職場制度に多くの取り組みがある一方で、子どもの権利に関する対応は依然として不十分であり、特に子ども保護方針、サプライヤーの子どもの権利尊重、若年労働者の保護に関する対応が求められる。
- 同協会の理事長・黄育賢氏は「少子化が深刻化する中で、子どもは国家の重要な資産であり、2014年に『児童の権利条約実施法』が施行され、台湾の子どもの権利に対する重視が示された。企業は社会における重要な構成要素であり、子どもの成長にも大きな影響を与える。企業が子どもの権利保護で果たせる役割についての研究は未だ不十分で、さらなる関心が必要」と述べた。子どもにやさしい企業とは、子どもを利害関係者と捉え、権利を尊重し、国連の「子どもの権利とビジネス原則」に従って企業経営に反映させることで持続可能な経営を強化するものである。
- 子どもの権利方針の不足:334社のCSR報告書のうち、子どもの権利に言及されたのは5件のみであり、明確に方針を示したのは天仁茶業1社のみ。多くの企業はさらなる対応が必要。
- 家庭にやさしい職場に対する企業の認識:母性保護、授乳支援、育児支援などに取り組んでいる企業もあるが、多様なニーズに応える制度は未整備。佳世達は差別禁止方針をCSR報告書で明言しており、高く評価される。
- サプライヤー規範の強化が必要:55%の企業がサプライヤーに行動規範署名を要求しているが、児童労働の禁止を明記しているのは25%のみ。子どもの権利保護のためには監督強化が必要。
- 若年労働者の保護不足:88%の企業が若年労働者に関する保護を明記しておらず、労働環境や最低賃金の保護、職業訓練の提供などが求められる。
- SDGsにおける子ども関連目標への対応が弱い:SDGsに関心を示している企業は68.6%だが、子どもの権利に関連する9大目標に具体的な対応策を示したのは4%のみ。
- 業種別で見ると、児童権利に積極的な業界は金融保険、電子部品、コンピューター周辺機器であり、改善の余地がある業界は建材、観光、鉄鋼である。
- また、同協会は特に通信業者に対して、児童保護方針の策定を強く呼びかけている。通信業はインターネットサービスの提供者として、プラットフォームとユーザーをつなぐ重要な仲介者であり、児童のオンライン利用における安全確保の責任がある。関係機関と連携し、違法コンテンツの削除や不適切行動の検出ツールの開発を進める必要がある。
- 広告・マーケティングも児童との接点であり、特に食品業・小売業は、12歳以下の子どもへの広告や不健康食品のプロモーションに注意が必要である。デジタルマーケティングが進む現代においては、行動ターゲティングや神経マーケティング、データ収集を避ける配慮が求められる。
- 全体として、今回の調査は企業の子どもの権利に対する対応の現状を示した。一定の取り組みは見られるが、政策の制定・開示やサプライチェーンの管理強化を通じ、企業の社会的責任を果たし、台湾を「子どもにやさしい社会」にすることが期待される。
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